REPORT
2019.12.09

PC、タブレット端末の視線入力機器を導入しました。

IT機器の視線入力で広がる、新たな世界へ向けて。


こんにちは、Myselfです。

パソコンが一般的になり、インターネットも気軽に繋がるようになり、私たちの世界はかつてに比べて大きく広がって行きました。

それでも、キーボードやマウス等での入力など、その入力が難しい方々にとってはまだまだ世界が大きく広がったとは言えなかったかもしれません。

そして、スマートフォンが普及し、タブレット機器も一般的になることで、画面にタッチし、音声を入力することで望む情報を得られるようになった現在、パソコンを使用することが難しかった人たちにとっても大きく世界が広がりを見せてきました。


ですが、タッチパネルや音声入力機器の使用が難しい方々も多いのも現実。

Myselfでは世界が広がる新たな取り組みとして、“視線入力”のシステムを今回導入してみました。

視線入力とは、読んで字の如し、目の動きだけでカーソルを動かし、様々な入力を可能にする新たなインターフェイスです。

今回、機器の導入とともに、今津特別支援学校で様々なIT関連の導入に取り組んでおられる福島勇先生をお招きして、機器のセットアップから使用についてレクチャーを受けました。



奥におられる方が福島先生です。

(福島勇先生のFacebookはこちら

先生から機器のセットアップ方法などを一緒に手伝っていただいたあと、効果的な活用方法などのレクチャーを受けました。



まずは職員が実際に体験してみた様子です。

視線入力で絵を描いているのですが、視線だけで絵を描くのはかなり難しい。

まっすぐ線をひくことさえ困難で、正直狙った絵を描くのはかなりの熟練が必要なようですが、まずは目を動かすだけでキャンバスに彩りが加わっていくことの楽しさを見出すことを入り口にしていくことが重要です。



それでもなんだかちょっとアートっぽいでしょ?

これはこれで、創作活動などに活用出来そうな気がします。


職員が一通り体験してみた後、スタッフ(利用者)さんたちにも数人体験してもらいました。



画面の中を動くターゲットに視線を合わせて破裂させるという簡単なゲームアプリですが、これがなんなのか理解できずにターゲットを追わずに周囲の職員さんの方を見てしまいます。

職員さんがディスプレイの後ろにたちことで、その職員さんを目で追ったときにたまたま視線とターゲットが合わさった時に成功しましたが、それでもまだ理解は難しかったかな?

これがターゲットのイラストや写真が、その方の興味をひくものなら目で追うかもしれません。

イラストや写真の差し替えは可能なので、その方の好きな人の写真だったり、イラストだったりを用意すると違うのかもしれなかったですね。

今回は初めての試みだったので準備が間に合っていませんでしたが、今後はその方々に合わせたものを用意するようにしてから取り組んでいきたいと思います。


職員さんの説明だけで理解できる方は、のみ込みが早かったです。



目を追うだけでターゲットが破裂するというシステムを、体験してみてすぐに理解できたようでした。



本人に感想を聞くと、「まるで魔法みたいだ!」と大喜びでとても楽しかった様子。

今後もいろいろ試してみたいようでした。


一方で、理解は出来ても難しそうな方もいました。



画面上のターゲットに視線を合わせると、ターゲットが破裂する。

そのシステムは理解できているようなのですが、ふわふわ動き回るターゲットを見て思わず顔や体が動いてしまって、視線を狙って合わせるのが逆に難しかったようです。



動画では上手にできているように見えますが、本人の全身にかなり力が入っており、ちょっとの時間だったにも関わらず、かなり疲れてしまったとのこと。

動き回るターゲットを追おうと考えるため力が入ってしまったそうでした。

アプリの内容ではそこまで力を入れずともゆっくりと楽しめそうな内容のものもあるので、それぞれの方にあった内容のものを見つけていきたいところです。



この方は発語もなく、視線入力のゲームの内容を口やジェスチャーで伝えても、どこまで理解できているか不明な重度の方です。

ですが、理解できるかな?と思いながらすすめてみたところ、こちらの方がとても驚かされました。



かなり的確に、それも素早くターゲットに視線を合わせてどんどん破裂させていきました。

ゲームのルールを理解している、というより、目の前で動くものに反応して目を合わせていたような感じだったと思います。

ですが、それによって破裂していくターゲットを目の当たりにすることで、ルールを理解でき、継続してこのゲームを楽しんでいるようでした。

口で説明してもわからない、ジェスチャーやイラストを見せることでも何だか理解できなかったものを、自身で体験することによって理解でき、楽しむことが出来たのでしょう。

それも、ただ目でみるだけでいいという、視線入力の簡単なルールが彼の世界を一枠拡げたのだと思います。

そして、彼が新たなインターフェイスを得て楽しむ姿を見ることができたことは、私たち職員にとっても新たな世界が拡がる発見となりました。


今回体験したスタッフさんたちが帰られた後、最初の体験会に参加できなかった職員さん方向けにも、福島先生がレクチャーを行っていただきました。



福島先生、今回はいろいろとお手伝いしていただきまして、本当にありがとうございました。

これからもなにか連携できる機会がありましたら、よろしくお願いします。


今回、新たな入力機器を得て、スタッフ(利用者)さんたちの新たな世界が拡がったことを見ることが出来ました。

まだ、体験していないスタッフさんもまだまだいるので、一人一人の個性に合ったアプリで、それぞれの世界を拡げていきたいと思います。

もちろん、視線入力では楽しめない障がいをもった方々もいます。

この新たなシステムを導入したことがゴールでは決してなく、ひとりひとりの世界が大きく拡がっていけるよう、今後も様々な新しい取り組みを行っていきたいと思いますので、ご期待ください。
Myself
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